「ママレボ通信」では、「ママレボ」の雑誌には掲載されなかった、日々の取材でのこぼれ話やレポートをアップしていく予定です。

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2013年4月27日土曜日

【ふくしま集団疎開裁判】判決文は、子どもたちの健康リスクを認めています

■郡山で生活する危険性を十分に認めた内容

 4月25日に「ふくしま集団疎開裁判」の判決が下りました。

結果は、“却下”

 しかし、その判決文の中身は、いまだ空間線量が高い郡山に住まざるをえない子どもたちの健康リスクを、はっきりと認めているという点では画期的だったと思います。


 今回の判決文の中で特筆すべきは、「低線量の放射線に長期にわたって晒されることにより、その生命・身体・健康に対する被害の発生が危惧(きぐ)されるところであり、チェルノブイリ原発事故後に児童に発症したとされる被害状況に鑑みれば、福島第一原発付近一帯で生活居住する人々とりわけ児童生徒の生命・身体・健康について由々しい事態の進行が懸念される」と示し、現在、郡山市内で実施されている“除線”も、空間線量を低減できるだけの効果が見込めないことを認めたうえで、抗告人ら(訴えを起こしている郡山市の子どもたち)は
被ばくの危険から容易に解放されない状況である、ということを認めた点です。


■もっと大人数で訴えていれば勝訴できた?


 ここまで読むと、ならば集団疎開を認めてくれるんでしょ?と言いたくなりますが、判決は「却下」なのです。


却下の理由を簡素にまとめると、


(1)「中長期的に見ると低線量被ばくの懸念はあるが、被ばくの影響は人によって違うので、直ちに取り返しのつかないほどの悪影響を及ぼすという証拠は認めがたい」


(2)「被ばくを回避するには学校施設を移転するしかないが、この請求は、あくまでも抗告人ら個人の請求であり、同じ学校に通っている多くの生徒が移転を求めているものではない」


(3)「学校施設だけ放射線量の低い場所に移しても、住んでいる自宅周辺が高ければ被ばく量はたいして軽減されない。ゆえに被ばくを回避するには、転居するしかないが、抗告人が転居することに格別の支障があるとは認められないし、転居先の公的教育機関による教育を受けることは特に妨げもない」(つまり避難できる環境なのだから自主避難して、そこの学校に通えば良い)」


よって、集団疎開は認められないと言っているようです。


この学校に通う生徒の多くが同様に訴えれば、勝てる見込みがあったかのような言いぶりですし、まるで「自主避難」をすすめているようにも読めてしまいます。



■この判決文を逆手にとって“避難の権利”を主張できる?

 あまりにも判決文の内容と判決がちぐはぐで頭がくらくらしてしまいますが、しかしよく考えてみれば、「被ばくを回避するには、転居するしかない」とうたっているわけですから、この判決文を逆手にとって、さらに“避難の権利”を主張していくことはできるのではないでしょうか。


 すでに「子ども被災者支援法」では、避難の権利が認められているわけですから、「こんなにリスクを認める判決文が出ていますよ!」ということで、年間1ミリシーベルト以上になる地域は、避難・移住・保養ができるよう、しっかり予算を組んでもらうという働きかけを強めていくことはできると思います。


 もちろん、これは郡山市だけにかぎったことではありません。福島県内には(県外にも)郡山市に準ずる地域、あるいはもっと高線量の地域にも子どもたちが住み、学校に通っています。

 将来的に健康リスクが増大することは明らかであると判決文はうたっているわけですから、「避難をしたいけど口にできない…」と思っていた方も、この判決文を引用して、堂々と主張していけばいいのだと思います。


■国内のマスコミはほとんど伝えない


いつもながら残念なのは、日本のマスコミの対応です。
 これほど重要な判決が下ったにもかかわらず、国内のマスコミは大きく取り上げていません。
 以下は、郡山の方が送ってくださった新聞記事です。ほとんどがベタ記事です。




















                          


 一方で、海外のマスメディアは、以下のような形で報じていたようです。


ワシントンポスト

http://wapo.st/ZQOkgj

ABCニュース

http://abcn.ws/14h2FKo

NYタイムズ

http://nyti.ms/ZQOxA7


今後も、民間レベルで移住や保養をすすめながら、一方で避難の権利を認めさせるべく働きかけが必要ですね。


OurPlanetTVから、「集団疎開裁判判決」の記者会見の様子をご覧いただけます。まだご覧になっていない方はぜひ! 

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1578

判決文の全文はこちらから。

http://www.ourplanet-tv.org/files/20130424sokai.pdf




2013年4月22日月曜日

【子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト】外遊びの実態に関するアンケート調査協力お願い

 私たちママレボ編集部も参加している「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」にて、現在、『外遊びの実態に関するアンケート』を実施しています。
 
 このアンケートは、放射能汚染の影響で外遊びしづらくなった子どもたちの間で、心身にどのような変化が起こっているかを明らかにすることが目的です。

原発事故以降、深刻な汚染が続いている福島の浜通りや中通りでは、(汚染されたのは福島だけではありませんが)、子どもたちが安心して“外遊び”ができない状態が続いており、その結果、子どもたちの心身の発育に深刻な影響が出てはじめています。

 


130202_福島民友13面 子どもの体力向上を小中学校体育主任が研修(郡山市)


 私が個人的に数人のママさんからうかがったお話しでは、以下のような問題が生じていました。

「事故当時0歳だった子どもを一度も外で歩かせたことがなかったので、2年たって歩かせようとしたら、こわがって地面を歩いてくれない」

「3歳の子どもがいるが、外遊びをほとんどさせておらず、ずっと狭い団地の中で過ごしている。そのせいでストレスがたまっているのか、泣きわめいたり、イライラしたりすることが多くなった」


「避難して、外で遊べる環境にはなったが、友だちがいないのでかえって外で遊ばなくなってしまった」

 
 「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」では、実際に、いつも子どもたちと接しているお母さんにアンケートをとることで、詳細をあきらかにし、「外遊びをする」という子どもの当たり前の権利が守られるよう、働きかけをおこなっていく予定です。
 
もしご協力いただける方がおられましたら、件名を「アンケート協力」として、お名前・ご住所を明記のうえ、「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」 info.kodomotomirai@gmail.comまでご連絡くださいませ。アンケート用紙と返信用封筒を送らせていただきます。



【対象者】
 ① 現在、福島県内にお住まいで、0歳~18歳までのお子さんがいらっしゃる方
 ② 現在、福島県外に避難・移住されている0歳~18歳までのお子さんがいらっしゃる方

現在特に、②の県外に避難された方のアンケート数が足りていません。もし、県外で移住者の受け入れ等されている方がおられましたら、一括でアンケート用紙を送らせていただきますので、ぜひご協力いただけると幸いです。



なお、お寄せいただいた個人情報をアンケート以外の目的で、使用することはございません。
(詳細は、「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」をご覧ください)

よろしくお願い申し上げます。



2013年4月21日日曜日

「みんなの声」への投稿を募集しています

ママレボでは、「みんなの声」という投稿ページに掲載する、みなさまからの原稿を募集しております。



「放射能問題についてこう思う」とか、「地域でこんな問題がある」「今、参加している子どもを守る会でこんな取り組みをしている」「政府に対してこんな文句がある」などなど、“子どもを守る”をキーワードに、みなさまが思っていることをご投稿ください。

《文字数》 800文字以内

《投稿方法》メールやWordなどにお書き頂き、メールの件名を「みんなの声」として、info.momsrevo@gmail.com までお送りください。

※掲載時、匿名希望可能です。ただしご応募頂く際はお名前をお知らせください。
※採用させていただく場合、編集部から確認のお電話をさせて頂くことがありますので、お電話番号およびご都合のよい時間帯をお書き添えいただけますと幸いです。

よろしくお願い致します!


「みんなの声」は、こんなページです★






2013年4月20日土曜日

【第3回ママレボカフェ】もっと知ろう。憲法のこと



安倍政権になってからまた憲法改正論議がメディアを賑わせています。
憲法を改正したらどうなるの?将来どうなるの?
疑問、不安はたくさんあっても、憲法は難しくてつい敬遠していまいがちです。

そこで今回、日本国憲法の理念の伝道師、伊藤真弁護士をお招きし、憲法の基本について、わかりやすく解説していただきます。

「憲法は国民が守るものではなく、権力に歯止めをかけるもの」
憲法について目からウロコのお話を聞いた後は、 またまたざっくばらんに話し合いましょう!




◎日 時:2013年5月23日(木) 
      13:45〜16:30(受付13:30〜)
◎開催場所:国分寺労政会館 (国分寺駅南口から徒歩4分)
◎参加費:1000円
◎保育あり

開催概要

日時3013年05月23日(13:30〜16:30)
開催場所国分寺労政会館
(東京都国分寺市南町3丁目22−10)
地図データ ©2013 Google, ZENRIN - 利用規約
地図
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参加費1,000円(税込)
定員120人(先着順)
申し込み開始2013年04月19日 14時00分から
申し込み終了2013年05月22日 22時00分まで
主催
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お申込みはこちら

2013年4月6日土曜日

アンケート募集中! 放射線に関する学校教育の改善を求めていきましょう


■子どもたちに、ほんとうに教えるべき放射線教育とは何か

 現在、ママレボでは学校で実施されている放射線教育」について調べるために、アンケートを実施しています。
 これまでに、ご回答くださったみなさま、ありがとうございます!

 なぜ、このタイミングでアンケートを実施しているかというと、年度が改まり、これから夏にかけて平成25年度の「放射線教育」の内容が検討されるからです。
 みなさんご存じのように、現在、文部科学省は「放射線等に関する副読本」を作成し、全国の小・中・高校に配付しています。(生徒に配付するか、使用するかは学校の裁量に委ねられていますが)

 この副読本の中には、「すいせんからも放射線は出ています」(だから心配ない)、「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けても、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」など、いかにも「放射能のリスクはたいしたことない」と言わんばかりの内容です。
 あれほど甚大な原発事故が起きたにもかかわらず、福島第一原子力発電所の事故については、ほとんど触れられていません。

 また文部科学省は、副読本だけでなく、希望する学校には放射線の専門家を派遣して、放射線に関する“出前授業”を行っています。

 お寄せいただいたアンケートによると、出前授業の内容もお粗末なものです。
 「みなさんがよく食べるポテトチップスにも、自然放射線が含まれています。でも、尿や便と一緒に出ていくからだいじょうぶです」とか、「宇宙飛行士だってたくさんの放射線を浴びていますが元気です」といったことを、子どもたちに教えているそうです。
 この副読本を使った授業を受けた子どもたちは、「放射能って、体に入っても出ていくんだね!」などと、安心しきってしまうことも少なくないようです。

 もちろん、副読本に書かれていることや、出前授業で教えられていることがすべて謝りだとは言いません。
 放射線の基本的知識を教えることは重要ですし、必要以上に不安をあおることは良くないでしょう。
 しかし、レベル7クラスの原発事故を起こした国で、放射能のリスクをきちんと教えないというのは、いかがなものでしょうか。

  これから子どもたちは、一生涯、放射能と付き合っていかねばならないのです。その孫の代も、次の代も向き合っていかねばなりません。だからこそ、できる限り被ばくを軽減する術を身につける必要があるのです。

 お寄せいただいたアンケートのなかにも、「どういう場所がホットスポットになりやすいのか」「日ごろの生活で気をつけるべきことは何か」「放射性物質を取り込みやすい食材はどんなものか」といったことも、子どもに教えてほしいという声がありましたが、まったくその通りです。


■保護者の声を、届ける必要があります

 しかし、どうアプローチをすれば、私たちのこうした要望が学校の放射線教育に盛り込まれるのでしょうか――。

 ご存じの方も多いと思いますが、「副読本」の制作や「出前授業」は、文部科学省から委託を受けた「原子力文化振興財団」が実施しています。

 原子力文化振興財団の役員名簿には、山下俊一氏の師匠でもある長崎大学名誉教授・長瀧重信氏の名前もあり、ひと目見て“原子力推進派”だということが分かります。

 推進派の組織が副読本を制作したり、出前授業を行ったりしているのですから、「被ばくのリスク軽減するためのノウハウを教える……」なんてできるはずがありませんよね。

 この事業に、いったいどれくらいの税金が使われているかというと、平成23年度は51,7781,000円。平成24年度については、4,260,008,000です。



 これらの費用は、いわゆる電気代に上乗せされている電源開発促進税でまかなわれており、平成24年度の行政事業レビューでは、有識者の間から「推進派がこの事業を請け負うのはいかがなものか」「電源開発促進税から経費を拠出していいのか」、「そもそも、なぜこんなに経費がかかるのか……」といった意見が上がっていました。

レビューの様子は下記からご覧いただけます。
○ 
文部科学省/619(2)/原子力教育支援事業委託費
http://www.youtube.com/watch?v=dibMrBa5uO4

 

 しかし、そもそも論になってしまいますが、世のママさんたちの気持ちとしては、推進派がこの事業を進めようが、電源開発促進税から経費が投入されようが、そんなことはどちらでも良い話しなのです。

 望むことはただひとつ、
とにかく「少しでも被ばくを避けるため」の知恵を子どもたちに教えてほしい、ということのです。

 被ばくが少なければ少ないほど良いというのは、ICRP(国際放射線防護委員会)でさえも勧告しています。http://www.nirs.go.jp/report/nirs_news/9908/hik5p.htm

 日本政府が、今後「原子力を推進する立場」を継続しようがしまいが、すでに大量の放射性物質がまき散らかされたことは事実であり、できるだけ被ばくを低減するにこしたことがないことは言うまでもありません。

 現在、基本方針を策定中の「子ども原発・被災者支援法」の第十八条にも、「国は、放射線及び被災者生活支援等施策に関する国民の理解を深めるため、放射線が人の健康に与える影響、放射線からの効果的な防護方法等に関する学校教育及び社会教育における学習の機会の提供に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする」と記されています。 
 私たちは、この法律にのっとって、今後の放射線に関する教育内容を改正してもらうよう働きかける必要があると思っています。
(支援法全文はこちら

 そのためには、平成24年度に各地で行われた放射線に関する授業をしっかり把握しておかねばなりません。
 好ましくない事例だけでなく、「うちの学校では、こんな良い授業が行われたよ」という良い事例も大募集中です。
 また、こういう授業を行ってほしい、こういうことを子どもに教えてほしい、などのご意見もありましたら、ぜひお寄せください。

 まず実態を把握し、保護者の方々の声を集めて、改正の要望を出していきたいと思っています。
 
 みなさまからの投稿、お待ちしております!

アンケートはこちらから


 ママレボ編集チーム@和田秀子
 

ラパンノワールくろうさぎ「脱原発パン」


「おいしいパンに原発はいらない!」
先日、オーガニックショー2013(ポラン広場東京)で、ママレボを販売させていただいたのですが、その会場に、かわいいパンがたくさん並ぶブースがありました。
気になってのぞくと、「脱原発パン」を発見。


ラパンノワールくろうさぎ
http://www.lapin-noir.co.jp/index.htm

というお店のブースでした。

放射能測定をした国産小麦と、有機無農薬(オーガニック)や自然農法の材料を使用して作られたパンの数々。どれもとても美味しそうでした。

ラパンノワールくろうさぎは、埼玉県の秩父にあるパン屋さんです。
お店が発行している「くろうさぎ通信」では放射能測定値のことや、内部被ばくのことなど、「パン」を超えた幅広い情報が記されています。


「娘と息子夫婦が家族を連れて、3月14日に九州に逃げました。妊娠中だった2家族は、それぞれそのまま帰らず、無事出産し、岡山、広島でパン屋をOPENさせました。
ほんとうは、『くろうさぎ』を一緒にやっていこうと思っていましたが、叶いませんでした。
『くろうさぎ』は一代で終わりか・・・と残念に思うこともありますが、あちこちに『くろうさぎ』の種がまかれたのだと思うようにしています。
二度とこんな思いをしないように、子孫たちの明日のために、原発はいりません」

NO NUKES


リレートークでのお話。
おいしいパンに込められた、思いです。




(文責・伊藤千亜)







(ママレボは、赤い羽根共同募金より助成金をいただいています)






2013年4月2日火曜日

都内でも、いまだ1μSv/h越えのスポットあり~河川敷でのお花見や川遊びには注意~

 桜も満開となり、世間は一気にお花見ムード。
 学校は春休みに入り、子どもたちが外で遊ぶ機会もふえている。
 しかし、やはり心配なのは、外遊びをする際の放射能汚染の影響だ。

 私が住む東村山市には、空堀川という一級河川があり、この時期になると川縁に植えられた桜が満開になる。子どもたちが芝生のうえで遊んだり、川に入ってザリガニとりをしたりする様子も多く見られる。







 しかし残念ながら、芝生や川縁は空間線量が高い傾向にある。

 地元の父母らで結成した「子どもの未来を考えるゆるやかなネットワークin東村山」(以下、ゆるやかネット)のメンバーの方が、空堀川周辺の空間線量を計測したところ、以下のようなマイクロスポットが発見された。




注目していただきたいのは、地図の⑥⑦⑭⑮あたりだ。
資料②で場所を確認すると、地上1メートルの位置で、空間線量がそれぞれ⑥0.37μSv、⑦0.26μSv、⑭0.24μSv、⑮0.47μSvと高く、地上0メートルでは、1μSv近くにまで達しているところもある。
 空間線量が高くなっている場所は、いずれも「排水溝付近」や、増水時に水が流れた「水道の跡」とのことだ。

(資料提供:「子どもの未来を考えるゆるやかネットワークin東村山。詳細は、ゆるやかネットのブログを参照ください)


 私たちが測定に同行している間も、子どもたちが芝生の上で座り込んだり、排水溝近くの水辺で遊んでいる姿が見られた。

 ゆるやかネットの方が、「ここは放射線量が高いから、あちら側で遊んだほうがいいよ」と注意すると、子どもたちは「えっ!そうなんですか?僕たちいつも、思いっきりこのあたりで遊んでいました」と驚いて、駆けだして行った。

 東村山市では、5月下旬に空堀川周辺で、「空堀川・川まつり」が開かれ、河川敷に屋台が出されるほか、魚の放流やカヌーレースなどが開催される。 その際に、子どもたちが知らず知らずのうちにマイクロスポットに近づく可能性がある。
 そこで、ゆるやかネットのメンバーが、管理者である東京都に連絡をして「除染してほしい」と依頼したところ、「国の除染基準は、周辺の空間線量より1μSv以上高い場所」なので対応できない、という返答があったという。

 東京都が示す「国の除染基準」とは、2011年10月に文部科学省が定めた「福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への文部科学省の対応について(平成23年10月21日)」に基づいたもので、該当するマイクロスポットが見つかった場合は、文科省に連絡をすると除染の支援が受けられる。

 しかし一方で、東村山市独自の除染基準は、「地表1メートルの高さで、毎時0.23マイクロシーベルト以上」。(この基準は、環境省が定める「除染関係ガイドライン」にならったもののようだ)
 文科省が定めている除染基準と比べると、毎時0.77マイクロシーベルト以上も差があるため、「東京都が管轄だからといって放置してよいのか」「東京都は、都民の健康を軽視しているのではないか」と、保護者らは戸惑いを見せている。

 ゆるやかネットの方々は、「もう事故から2年もたっているし、安全だろうと思っている保護者も少なくありません」と危惧しており、今後は市や、空堀川を守る地元のNPO団体とコンタクトをとりながら、マイクロスポットのエリアには注意喚起をうながすような看板を立てられないかと模索中だ。

 都内ですら、想像以上に線量が高いスポットが見つかって驚く一方で、福島では、毎時1マイクロシーベルト前後の場所が面で広がっているのだということに、また心が痛む。(もちろん、1マイクロシーベルトを超えるホットスポットも数多く存在する)

 いずれにしても、子どもたちは放射性物質のたまりやすい河川敷や、排水溝の近くなどで遊びたがる。
 子どもたちに対して、「リスクが高いのはどういう場所か」ということをきちんと教え、自らリスクを軽減できるように教えていくことが大切だ。

 春休みに入り、アウトドアで過ごす時間がふえる。もう一度、子どもたちの遊び場の放射線量をチェックする必要がありそうだ。

                                       (ママレボ@和田秀子)