「ママレボ通信」では、「ママレボ」の雑誌には掲載されなかった、日々の取材でのこぼれ話やレポートをアップしていく予定です。

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2013年11月28日木曜日

【いわき市】新市長・清水敏男氏に「学校給食における地産地消の取り組みを辞めることを求める要望書」を提出

11月27日、いわきの初期被ばくを追求するママの会が、新しく就任した清水敏男市長に、「学校給食における地産地消の取り組みを辞めることを求める要望書」を提出しました。

要望書の詳しい内容はこちらです。


「前の市長は、結局一度も面会しなかった」という話を聞いていたので、 「今度の市長はどういう人なんだろう、子どもたちを守る意識を持つ市長だろうか」――と、県外に自主避難中のAさんと一緒に参加しました。

いわき市は、福島県内でも、学校給食に福島県産のお米をつかっていない数少ない自治体のひとつ。来年3月から、その対応がどうなるのか、多くの保護者が感心を寄せています。





市長の短い挨拶のあと、いわきの初期被ばくを追求するママの会・共同代表の鈴木さおりさんから「学校給食における地産地消の取り組みを辞めることを求める要望書」が読み上げられ、市長の手に渡されました。 

それに対して、市長は――


「9月28日に就任して、さっそく『今年の新米を給食に』と言われました。でも、今年度(3月)までは北海道産米、という判断をしました。来年4月以降は、教育長の意向も勘案しながら、決めていきたいと思います。
じつは、市長になってから、いわき市の学校給食の検査態勢をまだ見ていません。その現場を見させていただきたいと思います。皆さんの代表と一緒に、見に行ってもいいです。お互い納得する形でやっていきたいと考えています。みなさんの思いは、子を持つ親として当然のこと。安全と安心は違います。一方で、時間の経過も判断材料になってきます。さまざまな要件を勘案しながら決めていきます。ご理解いただければと思います」

と話しました。 


* * *

「『地産地消はNO』と声を挙げることも心が痛みます。 この場所に来ることにも、勇気が必要なんです」

と話すのは、いわきの初期被ばくを考えるママの会・共同代表のちばゆみさん。
「放射能の問題」について、「内心気にしていても雰囲気を察して話題にしない」「生活で精一杯でそこまで手が回らない」「コミュニティーを維持するために黙ることを選ぶ」という話を、至るところで聞きます。いわき市も例外ではありません。
それでも、会場には、世代も性別もバラバラの、たくさんの方が駆けつけていました。
 
Aさんもこんな風に話してくれました。

「今日、来た保護者のひとりひとりの後ろには、きっと、200人くらいの保護者の思いがあるんです。みんな、働いていたら来れないし、表だってこういう場所には来たくても行けない、避難先からかけつけられない、そういうひとがきっとたくさんいます
いわき市の姿勢も、帰るか帰らないかの大きな判断基準になるんです」






* * *

初期被ばくの問題を抱えながら、できることは限られています。それは、これ以上被ばくをさせないことです。これから先長年、この不安と付き合っていくことになります。出来る限りの予防をしてください。予防原則にたって考えてください。そして、測定をすれば大丈夫なのか?という問題もあります。『あのときのお米にストロンチウム・プルトニウムが入っていました』では遅いんです」

* * *

「250キロ離れた避難先から、3分前に会場に着きました。保護者は、命がけで子どもを守りたいと思っています。いわき市で子どもを守ることに努力しているということが分かれば、多くの保護者、そして避難している母親たちにとっても安心につながります。いわき市が努力して、それを全国に発信してほしいです」

* * *

「初期被ばくのうえ、あの当時、1リットルあたり200Bq/kg含まれていた水を口にしています。 今後も健康への不安はずっと続きます。0Bq/kgの給食を提供してほしいのが本心です。それは大人の役割だと思います。市長がこの機会を設けてくださってありがたいですが、子どもたちの健康を担保しないと、復興はないと思っています

* * *

「測定について質問させてください。
①サンプリングの方法を教えてください。給食を作る数が多いということは、いろいろな畑から採ったものを つかっていると思います。
②β線のことです。ゲルマニウム半導体検出器でもβ線は測れません。そのことも将来的にどう考えるか、お答えください。
③文科省はいわき市で土壌のβ線を測定していません。その点について、いわき市でも申し入れをしているかもしれませんが、教えてください」

* * *

ひとりひとりの発言に、「子どもをできるだけ被ばくさせない」「行政が真摯に受け止め、子どもを守ってほしい」という思いが溢れています。

11時40分から12時までの20分間という短い時間はあっという間でした。


「何の力もない母親が想像を超えるほど大きな問題を、ずっと判断させられてきています」

「子育て中の私たちだけの問題にしないでください」



保護者の声は、いわき市長に届いたでしょうか。

来年4月、どのような決断をするのか、しっかり見守りたいと思います。





【いわき市内の活動】


「いわきの初期被ばくを追求するママの会」
http://iwakinomama.jugem.jp/
「NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね」
http://www.iwakisokuteishitu.com/
「mama'n chu! cafe(ママンチュカフェ)プロジェクト」
http://iwakimama.exblog.jp/20823519/
「いわき母笑みネットワーク」
http://natureherb.blog.fc2.com/blog-entry-130.html

そして、
「おしどりマコ・ケンの脱ってみる?」
http://www.magazine9.jp/oshidori/index.php
こちらも必読です。



(ママレボ@伊藤)


2013年11月14日木曜日

専門家から続々!「原子力規制庁の20ミリシーベルト帰還案にNO!」の声

~「ママレボ編集長通信」について~


「ママレボ編集長通信」は、このブログだけでなく、PDF版でも発信しています。
なぜPDF版を作成しているかというと、「インターネットを見ない方」にも、プリントアウトして配付していただけたら……と考えているからです。
 プリンターで“両面印刷”を選択してプリントアウトしていただくと、A4裏表1枚におさまるようにしています。
 ぜひ、「ママレボ編集長通信」をダウンロードしていただき、お知り合いに配付してくださいね!

 「ママレボ編集長通信」のダウンロードは、こちらから。

*****

「ママレボ編集長通信No8」のブログ版は下記でもお読みいただけます

*****

 年間20ミリシーベルトの被ばくを下回ることが見込まれる地域へ帰還を促進するため、原子力規制委員会が4回にわたって開いていた『帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム』が1111日、提言をまとめました。

 すでに報道されているように、提言の内容は、今まで政府が除染目標として定めていた“年間1ミリシーベルト”を事実上撤回し、空間線量ではなく、「個人線量計」による自己管理で「年間被ばく量20ミリシーベルト以下」をめざそうというもの。これにより、除染や賠償の費用をできるだけ軽減させようというねらいがあるものとみられています。

 事故直後から、日本政府は「年間被ばく量100ミリシーベルト以下では、有意な健康影響は認められない」という考え方に依拠した政策を打ち出しており、今回このような検討チームを開いて議論するまでもなく、最初から“結論ありき”で進んでいたと言えるでしょう。


 しかし、委員の春日文子氏(日本学術会議副会長)からは、「英国の医学雑誌“ランセット”には、100ミリシーベルト以下の被ばく量でも白血病がふえたという報告もあるので、そうした見解も盛りこむ必要がある。また、帰還する人への施策だけでなく、帰還しないと決めた人に対する施策も同等に行うべきだ」といった意見が出されました。

 検討チームは、近く委員たちの意見を提言書に反映し、原子力規制委員会で承認を得るとのこと。“年間20ミリシーベルト”はとうてい容認できる数字ではありませんが、春日氏のような意見がどれくらい盛りこまれるかも今後の注目点のひとつになります。

 そこで、『ママレボ』編集部では、「年間被ばく量20ミリシーベルトと政府の責任放棄」にNO!という声をあげるべく、各分野の専門家の方々からコメントをいただきました。
 これらの声を広めることで、被害当事者に年間20ミリシーベルトの被ばくを押しつけようとしている政府に、反対の意思を示したいと考えています。


                 『帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム』会議の様子


****専門家たちが、年間被ばく量20ミリシーベルトに反対する理由****


◇「年間20ミリシーベルト以下で安全」は政治的経済的基準 (元放射線医学総合研究所主任研究官・医学博士/崎山比早子)

 原子力規制委員会の新指針「年間被ばく量20ミリシーベルト」は、放射線作業従事者の年間線量限度だ。それを放射線に感受性の高い妊婦、乳・幼児、子どもを含む全住民の線量限度とするという神経は、いったいどこから来ているのか?
 これまで科学的に積み重ねられた証拠は「放射線に安全量はない」ということを示しているし、国際機関もこれを認めている。しかもこれは1年間の線量であるから、5年住めば100ミリシーベルトになる。
 それでは、なぜ今になってこれまでの年間1ミリシーベルトではなく、20ミリシーベルトまでを安全とするキャンペーンが声高になってきたのか? そうしないと、避難させなければならない住民、補償しなければならないものがふえるからで、これは人のいのちよりも経済を優先させた考え方だ。
 個人線量計をつけさせ、多くの住民を被ばくさせながらその健康を管理するという方針は、これから大規模な人体実験を行いますよということに等しいのだ。
                 

1020ミリシーベルトの被ばくでがんは有意にふえる
北海道深川病院内科部長/松崎道幸)

政府は、100ミリシーベルト以下の放射線被ばくでは、がんのリスクは無視できるほど小さいと述べている。しかし、2010年以降、重要なデータが3つ公表された。

(1)医療被ばく(CT検査など)10ミリシーベルトごとに、がんのリスクが有意に3%ずつふえていた。(カナダ)
(2)日本の原発労働者のがん死リスクが、10ミリシーベルトの累積被ばくで、有意に3%ふえていた。
(3)自然放射線被ばくが1ミリシーベルトふえるごとに、子どもの白血病のリスクが12%ずつ有意にふえていた。(イギリス)

このほかにも、1020ミリシーベルトの被ばくでがんが有意にふえることを証明した科学論文が公表されている。毎年20ミリシーベルトの被ばくを5年間続けると、大人のがんは30%ふえ、子どもの白血病は12倍ふえることになる。
最新の科学データを無視し、放射線被ばくの影響を一ケタ過小評価した政策を進める政府に、われわれと未来の子どもたちの健康を託してよいのだろうか。





◇私が20ミリシーベルトに反対する理由
(東京大学大学院教育学研究科教授/影浦峡)

 (1) 一般公衆の被ばく限度は年間1ミリシーベルトという法的枠組みがある。管理基準とはいえ、社会的な合意であり、事故が起こったからといって基準を変えることは許されない。

(2) ICRP(国際放射線防護委員会)の現存被ばく状況では、120ミリシーベルトの低いほうから参照レベルを選ぶとされている。これは、やむをえない状況における防護対応のステップを示す目安であって、20ミリシーベルトまで安全だとうこととはまったく違う。

(3) 国連健康に関する特別報告者勧告(グローバー勧告)も、1ミリシーベルトを達成する具体的な時間を定めるよう求めている。

(4) 20ミリシーベルト以下で影響がないといった主張は、「わからない」ことを「存在しない」ことにすり替える詭弁(きべん)で、非科学的な態度である。

(5) 最近、低線量でも影響があることを、エビデンス(医療的な意味での証拠)とともに示す研究が複数現れている。

もはや「低線量被ばくについてはわからない」と開き直ることは、けっしてできない。



◇年間20ミリシーベルトは、医学的見地からも、きわめて無責任
(医学博士ヘレン・カルディコット)

 みなさんに認識していただきたいことは、「放射能」に関する安全な数値など存在しないということだ。これは全米科学アカデミーも発表している。しかも、子どもたちは大人以上に「放射能」による人体への影響が高く、「がん」の誘発率は1020倍になるといわれている。さらに、女性は男性よりも「放射能」に対しても敏感であり、人体に受ける影響の確率が高いのだ。日本政府が今回出した年間20ミリシーベルトという数値は、医学的見地からも、きわめて無責任な行為である。放射能の危険性に対しては、福島のみに限られているようだが、広範囲の地域への対応をただちに開始すべきだ。そして、すでに年間1ミリシーベルト以上の「放射能」を浴びている人々は、すべての病の発生を想定し、長期的な健康診断を続けなければならない。




◇健康障害のリスクを軽視する指針は、医師として許せない
 (内科医/牛山元美)

 CTスキャンや心臓カテーテル検査によって、約10ミリシーベルトの医療被ばくを受けた方の発がん率は、およそ3%上がるという報告がある。オーストラリアやイギリスからも、5ミリシーベルトを超える被ばくで白血病やがんの発病率がふえたという大規模な研究報告が相次いでいる。低線量による健康障害の実態は、まだ未解明な部分が多いとはいえ、新たな研究報告があるたびに、やはりより低線量でも危険であることが立証されているところだ。明らかに多大な健康障害を生み、でも個人が努力することで解消できる喫煙習慣を引き合いに出し、のがれられない年間20ミリシーベルト の被ばくによる発がんリスクを軽視させ、発がんを国民の自己責任にしようとする責任転嫁、健康的生活を営むという基本的人権の侵害、経済効果を優先し健康障害のリスクを明らかに軽視する今回の指針は、医師として許せない。


◇個人線量に着目することで、調査・除染責任を放棄した政府
(東京災害支援ネット代表 ・弁護士/森川清)

 「個人線量」をもとに被ばく線量を評価することで、20ミリシーベルト基準と相まって施策の放棄ともいえる事態が生じるおそれが大きくなる。本来、「公衆」をベースに地域全体に対して施策を検討すべきものとして地域全体の汚染状況の調査を進め、それに合わせて除染をすべきところ。なのに、具体的な「個人線量」に着目することで調査を放棄して、除染をはじめとする施策をきわめて限定的なものにしてしまう。また、事前的な評価から事後的な評価に変わってしまうと、被ばくしたあとで施策に活かしていくことになり、個々の住民の安全が保障されなくなる。帰還にあたっては、徹底的な汚染状況の調査と除染を求めていかなければならない。



◇帰還しない場合の支援措置も充実を
(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授/平川秀幸)

 今回、原子力規制庁が示した基本的考え方(案)は、「帰還に向けた」という検討チームにあてがわれた議論の枠組みに縛られている。そのため、帰還した場合の放射線防護や生活再建については重要な一歩となりつつも、帰還しない場合の生活再建支援のあり方にはほとんど触れていない。このため、すでに帰還しないと決めている人だけでなく、帰還するかどうか迷っている人にも制約が残るものになっているのではないか。このままでは、帰還しない場合の支援措置が不十分だったり見通しが不透明だったりするために、しかたなく帰還を選ぶケースも出かねない。このような偏りは、つい最近まで政府が「全員帰還」を原則にしていたことの結果であり、今後は速やかに、子ども被災者支援法に則るなど、帰還しない場合も含めた総合的な支援体制を用意されるよう、政治のイニシアティヴが発揮されなければならない。


◇科学的根拠のない20ミリシーベルト
(岡山大学環境生命科学研究科 教授/津田敏秀)

 もちろん、1-20ミリシーベルトという数値に“医学的根拠”はない。ましてや、「20ミリシーベルト以下でがんがでない」かのように解釈するのはまちがいだ。
 実際に、累積20ミリシーベルト以下の被ばくでがんの多発は確認されている。年間20ミリシーベルト以下は、がんが多発しないというのを全年齢層に適用するのはまちがいであり、今後、さらに混乱を呼び起こす元となってしまうだろう。


◇「カネのための科学」で、棄民政策が恒常化される
(北海道がんセンター名誉院長/西尾正道)   

 政府・原子力規制委員会は、「年間20ミリシーベルトで安全・安心」として、福島県民の帰還促進をはかる方針を打ち出した。事故前は年間1ミリシーベルトだったが、事故後はあと出しジャンケン的手法で20ミリシーベルトまで引き上げるという国家的な犯罪行為を行ったが、今度はその犯罪行為を恒常的なものとしようとしている。1ミリシーベルト以上の住民は低線量被ばく下におかれ、長期的な生体実験をされているようなものである。医学論文では20ミリシーベルト以下でも健康被害が生ずるとする多くの報告があるが、こうした科学的な証拠は無視し、原子力政策を進めるために棄民政策を正当化することに奔走している。「国民のための科学」ではなく、御用学者が作った疑似科学物語に依拠して「カネのための科学」となっている日本の現状は、悲惨な結果につながることになるだろう。

    
***************

こうした専門家たちの声を、ぜひ多くの方々に広めてください。



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2013年11月13日水曜日

傍聴レポート:「第1回住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」

 このところ、重要な委員会や検討会が立て込んでいましたね。
レポートアップが追いついていなくて、申し訳ないです…。

順番にレポートをアップしますので、少々お待ちくださいね。
 
*****************

 まずは、11月11日に開催された、「第1回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の報告からです。

(当日の議事録はこちらから→ 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 第1回議事次第

 この専門家会議は、10月11日に骨抜きのまま閣議決定された「原発事故・子ども被災者支援法」(以下、支援法)の基本方針に基づいて開かれたもので、福島県をはじめ、近隣県の子どもや妊婦に対する放射線の健康影響を専門家らが協議し、今後の健康管理のあり方や、医療に関する施策を検討するために開かれました。

                   (専門家会議開催趣旨と委員の名簿は下記)



                        (画像はクリックすると拡大されます)


◇長瀧重信氏が座長に

 しかしながら、この専門家会議は、開催される前から「結論ありきのメンバーではないか?」という批判があがっていました。
 なぜなら、長瀧重信氏(長崎大学名誉教授)が委員のメンバーに名前を連ねているからです。
長瀧氏は、悪名高き山下俊一氏(長崎大学理事・副学長/福島県立医科大学副学長)のボスであり、チェルノブイリ原発事故後に現地に入って調査をしていましたが、最後まで放射線被ばくによる小児甲状腺がんの増加を認めようとしなかった人物のひとりです。
 こうした人物が名を連ねているのですから、放射線被ばくの影響が過小評価されるのは目に見えています。

 この専門家会議が開かれる前、支援団体や、被災当事者の方々は再三、「専門家会議を開く
なら被災当事者や、こちらが推薦する専門家もメンバーに入れてほしい」と要望してきましたたが、まったく聞き入れられないまま開始されてしまいました。

 
◇「健康に影響はありません」のオンパレード
 
 会の冒頭で、台本通り(?)に満場一致で長瀧氏が座長に選ばれ、続いて環境省の担当者が、福島県県民健康管理調査や、各自治体が子どもたちを検査した結果を示して、「今のところ放射線による健康影響が出ていない」というアピールを延々と行いました。

あきれたのは、岩手県や宮城県、栃木県、群馬県などから出された「今後、健康調査の必要はない」というコメント(下記資料)は示されるのに、千葉県9市の市長がそろって「健康調査の必要性」などを訴えて要望書を提出したことにはいっさい触れなかった点です。



                          (画像はクリックすると拡大されます)

 「放射能から子どもを守ろう関東ネット」のお母さんたちが、東葛地域の子どもたちの検査結果が思わしくないことを何度も政府交渉の場で訴えていましたが、それも話題さえのぼりません。見事にスルーでした。

 初期のヨウ素被ばくの評価についても、長瀧座長から「サーべーメーターで実測した1080人のデータが一番信頼できるのではないか」といった発言があり、いずれにしても被ばくを過小評価した流れになっていると感じました。


◇日本医師会が素晴らしい提案

 そんななか、素晴らしい提案をしていたのが、日本医師会の石川広己委員でした。


『日本医師会が考える重要施策』(下記参照)を提示し、

「十分なデータが示されないなかで、子どもを持つ親の不安は計りしれない。そのため、健康調査や医療補償については、学齢期以降も含めて国が実施主体となってすすめるべき。将来、もし疾病等にかかることがあれば、十分な医療補償ができるよう立法措置を急ぐべきだ。もし被害者が望むなら、広島・長崎の被ばく者の方々のように、健康手帳を発行し、生涯にわたって健康診断を受けられるスキームを確立すべき

と提案したのです。


                          (画像はクリックすると拡大されます)
 
これに対して長瀧座長は、

「健康調査をするなら、“目的”をはっきりさせなくてはならない。広島・長崎の被ばく者たちは、被曝線量がわかっている方をフォローし、検診の結果から被ばくの影響を見つけるという目的があって調べている。検査をする目的は、被ばくの影響をずっと調査したいということなのか、被ばくしたからなんとなくその人たちを援護していきたいということのか、健康調査の目的をしっかり議論しなくてはならない。健康診断をすることで、よけい被災者の不安をあおるようなことがあってはいけない」

と反論しました。


 石川委員はこの言葉に対し、


「原発事故子ども・被災者支援法の第一条には、放射線が人の健康に及ぼす影響が十分に解明されていないからこそ、一定の放射線量が計測される地域に住んでいる(あるいは住んでいた)子どもたちには、必要な施策を講じよと明記されている。この条文は非常に重く、国が責任を持って、これらの地域の子どもたちの不安に応えてほしい」


と述べました。


 この石川委員の言葉こそが、被災当事者や支援者の方々が、この一年半ずっと要望してきたことです。


 結局は、原発事故子ども・被災者支援法の理念や、この専門会議を開催している目的をしっかりと把握しているのは、石川委員くらいかもしれません。(もっといることを願いますが、今のところわかりません)


 いずれにせよ、かなり劣勢ではありますが、日本医師会の要望がしっかり専門会議で通るよう、私たちもこの会議の行方を見守っていきたいと思います。



                                          (ママレボ@和田)




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2013年11月6日水曜日

ママレボ6号(2013年11月号)発刊しました!(読者プレゼントあり!)

みなさま、本日やっと「ママレボ6号」(2013年6月号)を発刊しました。

ほんとうは、10月中に発行したかったのですが、遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

下記よりご購入のお手続きをしていただけます。
http://momsrevo.jimdo.com/

ただし、印刷が刷り上がるのが来週ですので、発送は11月14日以降となります。あらかじめご了承いただけますと幸いです。


                   ママレボ6号(2013年11月発売号)

Interview after 3.11❖石川洋子さん(仮名)・・・2
子どものいのちがかかった緊急時は、カンと思いを信じて行動してほしい

特集1
前略、安倍首相 福島の子どもたちは、青空のもとで遊べますか?・・・4
~安心して外遊びできない子どもたち~

特集2
「ただ、ふつうに生活したいだけ―」変えられた生活・避難の現状・・・8

この人に聞く❖参議院議員 川田龍平さん・・・12
子どもたちのためにあきらめないでください 
どうなる? 「原発事故子ども・被災者支援法」の今後

教えて! ママレボ博士 ・・・14 
福島県鮫川村を皮切りに、高レベル放射性廃棄物を各地で焼却!?

みんなの取り組み地域の活動 ・・・16
子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト❖共同代表 石田伸子さん

あなたの町の市民測定所 シリーズ④ ・・・ 18
静岡県浜松市 放射能測定室『てぃーだ』❖代表 近藤正宏さん

ママレボ 読者プレゼント ・・・20

放射能に負けないレシピ ・・・21 
体を温め、腸を整えるくずレシピ3種

みんなの声 ・・・22

イベント情報・・・24

ネットワーク団体一覧・・・ 25

福島で被災した動物たちの里親募集 ・・・ 26




<読者プレゼントのお知らせ>

この度、平凡社様のご協力で、読者プレゼントをさせていただけることになりました。

12月15日までに「ママレボ6号」を5冊以上ご注文くださった方を対象に、抽選で5名さまに『水の手紙 - 群読のために』( 井上ひさし・著/萩尾望都・絵 ) をプレゼントさせていただきます!


福島での甲状腺エコー検査~自己情報開示請求のススメ ~

 <自己情報開示請求の簡素化されました>2013年11月13日追記

詳しくは、下記をご覧ください。http://fukushima-mimamori.jp/thyroid-examination/data-request/



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 福島県では現在、原発事故による放射線の健康影響を調べるために、「県民健康管理調査」が行われており、
事故当時18歳以下だった子どもには、「甲状腺エコー検査」が実施されています。

しかし、検査結果の報告はおそまつで、のう胞や結節の有無や、その大きさによって「A1」や「A2」「B」などと書かれた判定結果が一枚送られてくるだけで、肝心のエコー画像は本人に返却されません。

そこで、保護者の間では「自己開示請求」によって子どものエコー画像を手に入れる動きが広まっています。

 ******

■ 手間はかかるが、メリットも大きい
 「自己情報開示請求」とは、県の条例によって保護されている個人情報であっても、自分自身に関するものであれば、開示を求めることができるという制度です。

 原発事故当時中学2年生だった息子を持つ山内和子さん(仮名・郡山市在住)は今年2月、甲状腺エコー検査画像を開示してもらえるよう、息子に代わって福島県に「自己情報開示請求」を行いました。

 「息子は201212月に甲状腺エコー検査を受けたのですが、結果はA2判定でした。 
県の検査はいい加減だという話しも聞いていましたから、エコー画像を手に入れて、証拠を残しておく必要があると思ったんです」

 自己情報開示請求の手続きは非常に面倒だったそうですが、

「請求をすると、福島県立医大の専門医たちが、もう一度エコー画像を確認してくれるそうなので安心です」

と山内さんは言います。
 「もう一度エコー画像を確認してくれる」とは、どういうことでしょうか――。

■ 手間はかかるが、メリットも大きい
 ことし9月に岩波新書から出版された「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」(著者:日野行介)には、次のように書かれています。

「一次検査の判定結果は、検査に当たった医師や技師本人だけで決めるものではなく、鈴木教授ら専門家が毎週一回集まり、判定委員会を開いて最終決定している。(中略)しかし、一回の判定委員会で見るのは、結節が見つかった症例を中心に「A2」か「B」か判定を迷うものが大半で、県立医大の事務職員によると、『大体100件ぐらい』という(その後、同大広報に改めて問い合わせたところ、『一回300から400件』と修正する回答が寄せられた)」

 ここに記されている“鈴木教授”というのは、現在、検査の実施主体となっている福島県立医科大学で甲状腺検査の責任者を務めている甲状腺専門医です。

 つまり、一時検査を受ける子どもの人数が多いため、全員の画像を判定委員会でチェックすることはできないが、二次検査が必要かどうかを決めるむずかしい症例のみ、責任者である鈴木教授を含む判定委員会で確認しているということです。






 本書では、さらに次のように続きます。

「だが、2012731日にあった第44回専門委員会では、開示請求を受けた症例は必ずすべてを判定委員会でチェックする方針を決めた。判定結果を既に通知している場合は再チェック、通知前であれば前倒しして判定を行う」
 
 要するに、前出の山内さんの言葉どおり、自己情報開示請求を行うことによって、判定委員会で“二重チェック”が受けられる、ということです。

また、まだ判定結果が送られてきていない場合でも、自己情報開示請求を行うことで、よりていねいに確認してもらえる可能性が出てきます。

 なぜ、自己情報開示請求をした人に対しては、このような判定結果の二重チェックが行われるのでしょうか。

 本書の中で著者の日野氏は、「開示された検査画像について外部の医師から判定結果に疑いが投げかけられた場合、反論できるように準備しておくという趣旨だとみられる。」
と分析しています。

 福島県が実施している甲状腺エコー検査に関しては、「判定の精度が不十分ではないか」とか、「セカンドオピニオンを受けたら判定がちがっていた」などという声もあがっているので、県立医大も慎重になっているのでしょう。


■レポートには、判定員会の印が
自己開示情報請求の結果、山内さん宛に送られてきた「甲状腺超音波レポート」の最下段をみると、「福島県立医科大学 判定委員会 25.326の印が押してありました。(赤カッコの部分)

「甲状腺超音波レポート」
(クリックすると拡大します)
「甲状腺超音波レポート」の最終段に
捺印されている印を拡大した。
「福島県立医科大学 判定委員会」と書かれている









  
 





 
 山内さんが事故情報開示請求を行ったのは、今年2月。印の日付は25.326となっていますから、山内さんが自己情報開示請求をしたことを受けて、再度「判定委員会」の医師たちがエコー画像をチェックし、「甲状腺超音波レポート」を作成したことが裏付けられます。


■ 自己情報開示請求の手順
  「まだ自己情報開示請求をしていない方や、これから県の甲状腺エコー検査を受ける方は、面倒でも請求をしてほしい」と山内さんは言います。

  本来、我が子の検査画像を手に入れるために、「自己情報開示請求」を行なわなければならないこと自体がおかしいのですから、開示請求する人数がもっとふえれば、手続きも簡略化されるかもしれません。

 そこで、次に「自己情報開示請求」の手順についてご紹介したいと思います。


 *************************

■自己情報開示請求の手順
1)まず、福島県のホームページから「自己情報の開示請求書」をダウンロードします
 (福島県のホームページ > 文書管財総室 > 情報公開・個人情報保護 > 各種請求様式)


(2) 開示請求書に以下のように書き込みます。


開示請求記入例(クリックで拡大します)
資料提供:武本泰さん


※未成年者であるお子さんに代わって、法定代理人(親権者等)が開示請求できますが、ご本人の身分証明書(運転免許書/パスポート)以外に、法定代理人の資格を証明する書類(戸籍抄本等)が必要です。

(3) 「自己情報の開示請求書」への記載がすんだら、開示請求者(法定代理人)の身分証明書のコピーと、未成年者との関係を示す戸籍抄本を同封し、下記住所まで郵送します。後日、県庁から開示請求確認の電話があります。


<個人情報の請求窓口>
県政情報センター
960-8670 福島県福島市杉妻町2-16
電話:024-521-7083


(4) 約2週間程度で「自己情報一部開示通知書」「公文書等の写しの交付申請書」が送付されてきます。
「自己情報一部開示通知書」に記されている書類の名前と枚数を「公文書等の写しの交付申請書」に転記し、金額を記載します。(写し1枚につき10円)

「自己情報一部開示通知書」
(クリックで拡大します)
「公文書等の写しの交付書類」
(クリックで拡大します)



(5) 「公文書等の写しの交付申請書」に記入できたら、下記住所に郵送します。

「公文書等写しの交付申請書」の送付先>
公立大学法人福島県立医科大学 総務課大学管理係
960-1295 福島県福島市光が丘1番地
電話:024-521-7083


(6) 先方が「公文書等の写しの交付申請書」を受理後、写しのコピー代と郵送料を納めるための請求書が送付されてきますので、支払います。(手数料はこちらが負担)


(7)後日、甲状腺エコー検査画像やレポートなどの公文書の写しが郵送されてきます。


ちなみに、山内さんが自己情報開示請求にかかった費用は以下の通りです。

・甲状腺検査のエコー画像6枚+レポートが1枚の写しにかかる費用 70円(10円@1枚)
・郵送料                                     120
・上記を送付するための現金書留料                    510

                                 合計      690


(山内さんの場合は、コピー代や郵送料を現金書留で送ってしまったので費用が高くなりましたが、口座振り込みにするともう少し安くなります。)

以上

       *************************

 検査を受けた子どもたちのお母さんたちが、どんどん「自己情報開示請求」するようになると、福島県立医科大学も、よりていねいな検査をしてくれるようになるかもしれません。まだお済みでない方は、ぜひこの機会に「自己情報開示請求」をしてみましょう。


(ママレボ編集チーム@和田秀子)

2013年11月1日金曜日

郡山市測定レポート(3)


(「郡山市測定レポート(2)」の続きです)

ホットスポットファインダーで、Bさん宅の屋根も測定しました。屋根の構造が平になっているため、線源は屋根なのではないか、とBさんは以前から考えていました。

郡山市の除染計画では、民家の屋根は除染対象外です。郡山市は、屋根・ベランダは除染対象外になるため、自分で行うしかありません。屋根には1度も手を着けていない、とBさん。

環 境省による「除染関係Q&A(平成25年6月19日版)」によると、「2階以上の壁や雨樋及び屋根の除染については、生活空間における空間線量率 の低減への寄与が比較的小さく基本的には不要と考えられることから、財政措置の対象とはなりません」とあり、補助金対象外になるのだとか。住民の間では「瓦が壊れたら、弁償になるから、やらないんじゃないか」とささやかれています。


屋根の上で測定するこどもみらい測定所の石丸さん
屋根に実際にのぼって測定してみると、およそ0.2μSv/h~0.3μSv/h。
室内の線量とそれほど変わりません。

「屋根の線量は素材に左右されると思います」

とこどもみらい測定所の石丸さん。

瓦屋根は除染してもなかなか落ちない、という話もあります。
「いったいどこの線量が高いのかは、実際測定してみないと分からない」と、この日は何度も感じました。

屋根が室内の線量を上げる原因ではない、となると、どこから放射線が飛んできているのか、検証が必要です。石丸さん曰く、窓ガラスからの線量、四方八方からの線量ではないか、とのことでした。
家の敷地を一歩出ると、いたるところに0.5~0.9μSv/hの場所があり、裏手にあった林も0.8~1μSv/hほどありました。

除染した自宅は緑~青だが、周辺は赤(0.5μSv/h以上)
除染をしても、時間が経つと元の数値に戻ってしまう、という話はよく聞きます。除染の効果が今後も続くのかどうか、注意していきたい、とBさんはお話されていました。

ちなみに、右上の写真はBさんのご自宅周辺の線量マップです。除染した建物周辺は緑~青(0.1μSv/h~0.3μSv/h)ですが、自宅敷地を一歩出ると、赤(0.5μSv/h以上)になることがわかります。



◆通学路の測定

その後、郡山市内の別の場所に移動し、子どもたちが通う通学路の測定を行いました。

子どもが通う通学路は、町内会の除染があったものの、市は担当しているわけではありません。手つかずのところもあります。
通学路に24時間いるわけではありませんが、毎日毎日、通い続けるわけです。
それに、子どもの場合、通学路をただ歩くだけではありません。登下校の途中で、興味をひくものに手をのばすことは、容易に想像がつきます。


通学路の、道端(土や草のあるところ)は、線量が高く、道の真ん中は道端よりも低くなります。

測定しました。

道の端
 
0.602μSv/h


次は、道の真ん中です。
道の真ん中
0.326μSv/h
道の端と、真ん中で約0.3μSvの差があることがわかります。

たとえ子どもの被ばくをさけるためとは言え、車の走る道路の真ん中を歩くわけにはいきません。
通学路の徹底した測定を早急に行い、実態を把握してほしいと思います。
2013年10月18日に、環境省から「GPSと連動した計測装置の実証試験報告書」が出されました。
自治体によるホットスポットファインダーの導入が待たれます。


道端と真ん中だけではなく、身体を半転させただけ(センサーが30cm移動しただけ)で、0.2μSv/hの違いが出た場所もありました。


続きは、「郡山レポート(4)」でお伝えします。

(ママレボ@伊藤)